交通事故調査って何するの?
こんにちは、のいちゃんです。
今回は『結局、交通事故調査って何するの?』というお話です。
細かく書き出すとかなりの量になるため、メジャーなものをピックアップします。
- 事故現場がどのようなものか調査・製図する
- 事故の当事者から詳しく話を聞き文章化する
- 警察署に行き事故についての詳細を聞く
- 損傷した車両の撮影・真偽の判断
- ドライブレコーダー映像をデータ化し精査
といった感じです。
順番にざっくりと解説していきますねー。
1.現場調査
これについては
- 事故の現場の形状がどのようなものか
- どれくらいの道幅があるか
- どのように運転手から見えるか
- 道路の規制状況(制限速度や一時停止)
などを確認し簡単に製図し計測しメモを取っていく、といった作業です。
この計測次第で過失割合が変わってくる事があるし、写真を1枚撮り忘れただけでももう1回現場へ行かなくてはいけないため一番気を使ってミス無く調査しなくてはいけません。
(他社はわかりませんが、自社は再度現場へ行く交通費は自腹です……。)
計測はロードメジャーという、タイヤをコロコロして距離を計測する道具を使用します。
手元にカウンターがついているものとタイヤの横についているものがありますが、私は目が良くないので手元が断然楽です!
そして調査が終わったらその製図メモと写真を使って改めて正確な図面をパワーポイントで作成します。
事故道路が大きければ大きいほど手間が増えるため(料金は基本同じ)簡単な作りの道路だと凄く助かります。
都会のど真ん中の事故調査とか考えたくない……。
2.事故状況聴取
事故の当事者から事故状況を説明してもらう事を事故状況聴取と言います。
どのくらいの速度で走行していたかとか、どのあたりから相手の車が見えていたかとか、どのように回避行動(ブレーキ・ハンドル操作)をしたか等、詳しく状況を説明してもらいます。 説明が得意な方や落ち着いている方ならスムーズに状況をお聞きできるのですが、そうでなかったり緊張していたり、記憶違いをしていたりする方から説明してもらうと事故内容との矛盾が発生してしまいます。
例:60km/hで走行していたところ、死角から急に相手車に衝突されてすぐにブレーキを踏んだら衝突位置から10mの所で停止した。
色々な条件は割愛しますが、乾燥した道路上で60km/hで走行時にフルブレーキをかけて停止するまで約27m必要です。 そのうえ、衝突を受けてからブレーキを踏むまでの時間(咄嗟に反応する時間やアクセルからブレーキに足を動かす時間)も必要で、その時間も人によりますが1秒前後必要です。 仮に1秒として、60km/hでは1秒に約17m進むため、合わせて約44m必要になります。
みたいな感じですね。
そのあたりの知識を持っていないとあり得ない報告書を作成してしまう事になるため、その場で『実は速度が違っていたのでは?』『もしかしたら事前に相手車を発見していたのでは?』のように内容を修正していかなくてはいけません。
3.警察聴取
警察署にて事故時に当事者が話した内容を確認しに行いきます。
ですが
まず内容を教えてもらえません
当事者であれば聞けるんじゃないの?と思う方もいるかもしれませんが、当事者でも確認できない場合が殆どです。(地域によっては教えてくれる場合もある) それはなぜかと言いますと、昨今の個人情報に対しての規制が強くなったからです。 そのようになった理由も実はあったりするのですが、そのあたりの裏話はまたいずれしますね。
ちなみに人身事故の場合は警察署で調査が終わった後に警察庁に送られ、それをあれそれと手続きするとその資料を開示してもらう事も可能です。 ただ、よっぽど揉めている事故でない限りは基本的にはまずしないです、大変なので。
4.車両撮影
事故で損傷した車両(車・バイク・自転車等)の写真撮影を行います。
写真に撮るだけだから気軽だね!と思ったら大間違い、実はかなり神経と手間が必要な仕事になります。 何故なら現場調査で1枚撮り忘れたら現場に行けばいいだけですが、車両撮影で撮り忘れたらお客様(もしくは修理工場)に再度連絡をして嫌な顔をされながら改めて撮影をしなくてはいけないからです! 改めて時間を取らなきゃだからごもっともなお話です・・・。
まだ撮影可能ならマシなのですが、それがもう工場で修理をしてしまったとなればもうどうする事もできません。 方々に謝り倒して許してもらうしかないのです・・・。 それにより会社・個人の信用がだだ下がりし、場合によっては仕事を発注して貰えなくなるリスクもあります、本当にキツイ!
損傷個所だけ撮影すればいい訳じゃないのでかなりの枚数を撮影する事になりますし、レポートにまとめるものなかなかに大変な作業です。 あまり率先してやりたくなる仕事ではないですね・・・仕事なのでそうも言ってられませんが。
5.ドライブレコーダー映像取付
これはドライブレコーダーに残っている事故の映像を何かしらの手段で持ち帰ってくる仕事です。
ちゃんと残ってればこれほど嬉しい仕事はありません。 事故の状況が映る角度であれば一目瞭然ですし、そうでなくてもどのように運転していたかが間違いなく確認できますので。
そう、残っていれば!
新しめのドライブレコーダーは事故(衝撃)を感知して自動で録画を止めるタイプの物があるので割と安心なのですが、旧型はそうもいきません。 ドライブレコーダーの設定によっては16GBのSDカードでも1~2時間で上書きしきってしまったりもしますし、衝撃録画のフォルダが一杯で事故映像が撮れていなかったりもあります。 衝撃が小さな事故はそもそも衝撃感知されない事もあります。 残っているから大丈夫だろうとそのまま運転を続けて全て上書きしてしまったらもう泣き寝入るしかありません・・・。
そうなるとホントに大変!(運転手も私も!
なのでこれを読んだ方々は、もし仮に事故が起きてドライブレコーダーを搭載しているのであれば、事故後すぐに(2~3分後くらいが理想)SDカードをドライブレコーダーから抜くか電源ケーブルを抜いてしまいましょう! 抜く際は一旦エンジンを止めてからにした方が機器のエラーで残らなかったりしないのでおすすめです。
お車をお持ちの方はドライブレコーダーからカードを抜く方法やカードの場所を予め確認しておく事をお勧めします♪
どうでしたか?ざっくりと交通事故調査についての説明ができたと思います。 この他にも細々としたものもあるので、それらも追々お話できたらなと思います。 記事の内容で疑問に思った事などがありましたら、お気軽にコメントをよろしくお願いします!
最後まで読んでいただきありがとうございました、また次回をお楽しみに!